正当にこわがることはむずかしい

 私は今回の福島原発事故の問題で、ヒステリックに不安がっているわけではない。ちゃんとした科学的根拠を持った資料による解説とともに、原子炉内部の状況、それに対処する現場の作業の状況が出来るだけ知りたいのだ。
 それは、ほとんどの国民の思いではないだろうか。いちいち発表される放射能レベルにパニックを起こして怖がることはしないし、そのようになりたくない。ちゃんとした説明を聞けば、理解できるし、どんどん知識も増えて賢明な行動への手助けになるはずだ。

 つまり、過剰に怖がることはしないし、だからといって安易に楽観的にはならない。我々国民は現在起こっている事をしっかり見て、最悪のシナリオをちゃんと想定して理解し、その上で怖がる必要があるのだと思う。
 昨夜見ていたBS11の「Inside Out」というテレビ番組での討論で、前・内閣府原子力委員会委員であった評論家の木元教子さんの発言で、物理学者で作家でもある寺田寅彦の警句が紹介されていて、それが今の自分の心情にピタっと来た。

 「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、 正当にこわがることはなかなかむつかしい。」

 ちなみに彼の最も有名な言葉は「天災は忘れた頃にやってくる」かもしれない。

 現在のような大きなに危機に見舞われている日本で、偶然にも幸運にも被災していない一国民がしなくてはならないのは、「正当にこわがること」に違いない。

 日本政府も東電も未だにまったく納得いく説明をしないし、実際に何が起こっているのかを教えてくれない。「わからない」「想定外」にはうんざりだ。それにより、我々は今回の事故の現実とそれが引き起こす最悪のシナリオも十分に理解していない。
 が、アメリカでは専門家がきちっとした解説を各メディアでしており、実に明解であり、今後起こりうる最悪の状態を示している。それは不安とパニックを起こそうとしているのではない。ちゃんとした理解を元に賢明な行動を取る為にだ。

 さて、ネットを検索するうちにたくさんの情報にぶち当たる。例えば、冷却水もポンプも断った日本政府に愛想を尽かしたアメリカが直接自衛隊にアクセスしているという話もとびだしている。

 グアムにあるアメリカ軍の無人機を飛ばして、原子炉内の撮影するとのこと。また、送電線を一気に引いてきて、プラントの電力回復を試みるとの話も。また、IAEAの専門家やアメリカ軍が入ることで、今後は彼らからの正確なレクチャーが世界に発信されるであろう、との見解も。

 だが、すでに時はかなり遅く、もはやレベル6の被害はまぬがれないだろう、というのがアメリカとIAEA側の認識のようだ。
 その他にも、いろいろな情報があり、全てが本当かどうかはわからないが、少なくとも、日本政府や東電の会見を聞いていらだつよりも、少しは希望を感じられる。
 一方で、アメリカは原発から80km以内に入らないようにという指令も出した。

 日本の大手マスコミ、特にテレビは、被災者の忍耐強さや規律正しさを称賛し激励する海外メディアの様子を放送してきたが、この原発問題が深刻化するにつれ一転、日本政府への批判と悲観論が目立っていることを知らせていない。
 アメリカは元より、ドイツでも「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。」として救援隊が帰国。メルケル首相も記者会見で「日本からの情報は矛盾している」と発言した。
 もはや、福島原発事故は深刻な国際問題にまで発展する状況だ。それをちゃんと認識していないのが、日本政府のみかもしれないのだ。これは、とても情けないことだが、一方で、ようやく真実を知る可能性が増えたとも言える。
 
 被災した方々が懸命に頑張っているのに、リーダー達が無能だと、すべてが台無しになるかもしれない。

 大前研一氏の3月13日収録の解説と提言をリンク。いちばんわかりやすい。

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by harukko45 | 2011-03-17 05:09 | 日々のあれこれ

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