久々にJazzにはまり(2)

 HMV OnLineのジャズ・コーナーにある「ジャズ定番入門」にそって、律儀にジャズを聴く2回目はジョン・コルトレーン。HMVの門澤さんは一応初回がソニー・ロリンズだったので、同じサックスつながりでコルトレーンを選んだようだが、個人的には今トレーンを聴くのはちと辛い。
 蘇る10代の頃、その当時の日本のジャズ・ジャーナリズムではジョン・コルトレーンは「神」として崇め立てられておりました。で、すぐに感化される私は、すぐにトレーン教に入信して、ありがたく苦行のように聴いておりました。この苦しみを乗り越えた時に、輝かしい感動の世界が待ち受けていると信じて。

 何しろ、初めて買ったコルトレーンのアルバムは4枚組だったか、「Live In Japan」でありますよ。ほんと、辛かった。でも、頑張って聴いて、すべて聴き終わった後には、何とも言えぬ達成感から涙しておりました、うむ。
 その他では、「Live At The Village Vanguard」「A Love Supreme」「Transition」「Ascension」「Kulu Se Mama」等々ね。このあたりのヘビーな作品群にこそ価値があったので、「コルトレーンはインパルス・レーベルに限る」、同じインパルスであっても「Ballad」「Duke Ellington & John Coltrane」「John Coltrane & Johnny Hartman」なんか聴いちゃいけないように思い込んでましたっけ。

 もちろん、その頃はずっと尊敬していたのですが、二十歳すぎたら何だか洗脳から目覚めて、すっかりイヤになっちゃって。ただし、例外的にマイルス・デイビスのアルバムに入っているコルトレーンは大好き。でも、これはマイルスがすごいリーダーだからに違いないわけです。
 というわけで、マイルスのプレスティッジでの4部作、CBSでの「'Round About Midnight」から「Kind Of Blue」までが、私のコルトレーン・ライン(おっと忘れてた、「Someday My Prince Will Come」でゲスト参加してレギュラー・メンバー達を圧倒するソロ吹いてましたっけ。初めて聴いた時はぶっ飛んで感動してたけど、今聴くと、ちょっと吹き過ぎじゃないかと)。

 とは言え、56年前半までの録音では正直、「ヘタ」です。よくもまぁ、マイルスがこの男を雇ったものだ、と思うぐらい。
 基本的に、この頃の彼は「口」と「指」が合ってない。サックスをやったことのある人なら、何となく分かると思いますが、要は吹こうとする口に指が追いついていない。つまり、スケール練習をしろ、ということです。
 だが、この男はなんと、本当に猛烈にその後練習するのでした。そこが凄い。なので、56年の秋にはとんでもないテクニシャンになり、それまで表現出来なかった「すさまじい情熱」を一気に解放する技を身につけて復帰しておるのです。

 その後、コルトレーンは67年に死ぬまで、とことんサックスを吹きまくり、自分の音で全てを埋め尽くしていったのでありました。

e0093608_0542256.jpg さて、これが現在の私のコルトレーン観でありますが、今回、HMVの推薦にしたがって、57年9月録音のブルーノート「Blue Train」を聴いた。このアルバムは年代的には、私のコルトレーン・ラインの中に入るものの、正直ずっと敬遠していたもの。ブルーノート・レーベルのイメージとコルトレーンは合わない、と思う。だからじゃないだろうが、彼のブルーノート作品はこの1枚だけだ。それと、1曲目のタイトル曲のメロがちょっとダサイ感じで嫌いだったのだ。
 ところが、今回聴いてみたら、なかなか楽しかった。さすがブルーノートではある、実によく作り込まれているし、各プレイヤー達の白熱の演奏がちゃんととらえられていて、素晴らしかった。それに、コルトレーンはもうすでにその後のインパルス時代と同じように吹いていた。

 だが、それでもなお、やっぱりマイルスみたいに「クール」な気分になれなかったなぁ。


e0093608_103178.jpg それは、アトランティックでの有名な「Giant Steps」にも言えて、こちらはもうコルトレーンの演奏には完全に脱帽なんだが、全体的にはもうひとつピンとこない感じが残る。
 だいたい、アトランティックはロックでは最高なのに、ジャズではどのアルバムも今一つなサウンドしているように思う(その後、思い返してみるとMJQやチャールス・ミンガスは良かったかも、いい加減でごめん。とりあえず、少なくともトレーンのアルバムでは物足りない)。
 それに、元々マイルスやロリンズのように垢抜けない、どちらかといえば「イモっぽい」コルトレーンには、それまでのハードバップな感覚じゃうまくキマラナイ。


e0093608_132993.jpg で、もう一枚推薦されているインパルスの「Impressions」を聴くのでした。ここに来て、完全に60年代のジャズのムードが全面に登場します。で、蘇るコルトレーン教の呪術がムワーっと広がるのでありました。うー、結局、これが一番ピタっと来る。エルビン・ジョーンズ、マッコイ・ターナー、ジミー・ギャリソン、そしてボブ・シールのプロデュース、おなじみルディ・ヴァン・ゲルダーの録音によるインパルスこそが、コルトレーン!うー、また戻っちまった。

 
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by harukko45 | 2011-03-05 01:29 | 聴いて書く

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