第53回グラミー賞
2011年 02月 14日
まずは今日午前中に放送された「第53回グラミー賞」の感想を簡単に。まぁ、正直、アメリカを中心としたポピュラー・ミュージックはすでにかつてのような強い影響力を持っているとは言い難いのですが、それでもやはりグラミーぐらいはチェックしておるのです。
今年の受賞はかなりサプライズだったようですが、私自身はその手に興味がどんどん薄れてきているので、最優秀アルバムのアーケイド・ファイアも、最優秀レコードと最優秀楽曲など5部門受賞のレディ・アンテベラムも、あまりピンと来ませんでした、残念ながら。
そんな中では最優秀新人を受賞したエスペランサ・スポルディング、これまた大きなサプライズだったようですが、こういう人にスポットをちゃんと当てるあたりは、さすがグラミーと感心しました。彼女の「Chamber Music Society」、なかなかのアルバムですし、すごい才能の持ち主ですが、ノラ・ジョーンズのような感覚を期待してはいけませんね。内容はかなり教養の高い音楽です。うー、これも1回聞けばいいかな。
パフォーマンスではまずオープニングでやった、現在がんで療養中のアレサ・フランクリンへのトリビュートがなかなかの聞き物で、ぐぐっとテレビに引き込まれましたね。マルティナ・マクブライド、ヨランダ・アダムス、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、フローレンス・ウェルチのボーカル、皆さん素晴らしかったし、選曲がよく、それをメドレーにしたアレンジも良かった。
ボブ・ディランと競演したマムフォード&サンズ、アヴェット・ブラザーズともになかなか面白かったのだが、肝心のディランは、まぁ登場しただけでオッケーという感じ。ご本人はけっこう楽しそうだったけど。
亡くなったソロモン・バーグへのトリビュートで登場したミック・ジャガーは、年齢を感じさせない動きで頑張っておりましたが、正直、それがかえって「痛い」感じも。
バーブラ・ストライサンドは、声がすっかり衰えて、かつてのような圧倒的な歌唱ではなかったものの、心に強く響くパフォーマンスでした。今回一番感動した。「Ever Green」、曲も最高ですな。
比較的若手の方では、ノラ・ジョーンズ、ジョン・メイヤー、キース・アーバンによる「ジョリーン」が良かった。これはドリー・パートンへのトリビュートでしたが、何と言ってもキース・アーバンのギターがうまい!
それと、ミランダ・ランバートが良かったです。若手の中では一番共感できたかも。
レディー・ガガは昨年の方が面白かった。ブルーノ・マーズ、ケイティ・ペリー、ジャスティン・ビーバー、あとは、リアーナに復活したエミネム...等々、すみません、興味沸きませんでした。
さて、フィナーレで最優秀アルバムを受賞したアーケイド・ファイアは予定にない、自らの判断でのアンコール演奏には驚いた。バーブラ・ストライサイドとクリス・クリストファーソンという「スター誕生」コンビがエンディングの挨拶をしているのも無視しての演奏というのは、喜びの爆発とは言え、ちょっといただけなかった。
で、全体的な印象としては、ポピュラー音楽の博物館化がかなり急激に進行しているように思ったこと。正直、若いアーティスト達に壁を打ち破り、時代を突き動かしていくようなエネルギーをあまり感じることができなかったし、方やリスペクトされているベテラン達も、かなり年齢が気になる状態が顕著だったからだ。
こうなってくると、アメリカ音楽もエンターテインメントとしての楽しみよりも、「学問」的な内容に移り変わっていくように感じるのだった。
この頃は、洋楽を聞かなくなりました。70年代から80年代は、よく聞いていたのですが!
60年代から80年代は、すばらしい曲が、いっぱいでしたからね!(笑)
今回のグラミーでの日本人4人受賞にはアメリカの事情が多少なりとも関係しているとの記事を見ました。「グラミー賞日本人受賞ラッシュの裏に“オトナの事情”」
すべて鵜呑みにはできないですが、それだけアメリカ音楽界自体が冷え込んでいるということなのでしょう。日本もかなり冷え込んでいるのですけどね。
やっぱり、アメリカでの人材不足って言うのもあるんでしょうか?
本当は、60年代から80年代は、持ってるスーパースターが沢山いましたからね。 これが春彦さんの言う博物館化なんですかね(笑)