水越けいこ/秋冬コレクション(2)

 前回からの続きで、水越けいこさんのツアー「秋冬コレクション」についてです。

m10.Scaborough Fair〜m11.Yesterday〜m12.スマイル・フォー・ミー(京都、大阪、東京2部)
 オリジナル曲を一気に9曲やった後に、ちょっと箸休め的(?)にカバー曲をということで、懐かしめの曲が選ばれました。m10では、サイモン&ガーファンクルをもとにして、バッキング・ボーカルをベースの内田くんが頑張ってくれました。どういうわけか、彼がしっかりコピーしてきてくれたので、そのままお願いしてしまったわけで、実際にはなかなか大変そうでしたが、よくこなしてくれました。
 m11はビートルズのおなじみの雰囲気で、アコギとストリングスという形でやりました。
 
 m12はザ・タイガースの隠れた名曲で、曲を作ったのはビージーズ。1969年のリリースでGSブームがそろそろ下火になってきた頃のヒットであったようです。実は私もタイガースの大ファンではあったのですが、小学生の頃であり、正直、私がちゃんと把握して聴いていたのは68年の"シー・シー・シー"ぐらいまでだったので、この曲のことは全く知りませんでした。
 しかし、さすがは野球とGSともにタイガース・ファンであるけいこさん、ちゃんと現役で聴いているし、裏エピソードにもくわしかったのでした。例えば、ロンドンで録音され、イギリスでもリリースされた事や、終盤で半音転調するサビがジュリーには高すぎて無理だったので、その時たまたま遊びにきていた中尾ミエさんが代わりに歌った、なんて事を教えてもらいました。

 でもって、あらためてちゃんと聴いてみると、なるほど60年代後半のビージーズ・サウンド満載で、実に面白い仕上がりでした。やはり、タイガースの作品群は名曲揃いであります。

 さて、東京の1部のみ、このコーナーは全て変更になりました。

m10.ブルーライト・ヨコハマ〜m11.街の灯り〜m12.夏の日の思い出
 こちらは何と昭和歌謡のオンパレード、それもずいぶん通っぽい選曲ですなぁ。まぁ、m10は近い世代ならば、ほとんどの人が知っている大ヒットだけど、堺正章さんのm11と、日野てる子さんのm12はかなりの上級者コースでしたね。

 私はGS時代のスパイダースも、タイガース同様大好きでしたけど、マチャアキがソロになってからのヒット曲"街の灯り"については、あまり記憶がありませんでした。でも、これは73年のTVドラマ「時間ですよ」の挿入歌だったんですね。だったら、たぶん番組観ながら絶対聴いていたはずです。あの当時「時間ですよ」は子供にとっては「マスト」で観る番組でしたから。
 それにしても、この頃のマチャアキ、歌うまいです。私は、GS時代にジャズ喫茶と呼ばれていた新宿(池袋か銀座だったかも?)ACB(アシベ)に、解散直前のスパイダースを見に行って感激した経験があり、彼らはまさに私のアイドルでした。

 "夏の日の思い出"にいたっては全く知りませんでした。日野てる子さんの記憶は、いつも黒髪にハイビスカスをさしているハワイアンを歌う美人というものでしたが、この曲は65年にリリースされてミリオン・セラーになった曲だったのですね。それに、日野さんは2008年に癌で他界されていたのでした。
 で、初めて聴かせていただいたこの曲、すっごく参りました。日野てる子さんってこんなにも色っぽい歌声だったのかと思いましたし、曲自体のインパクトにもすごくやられてしまいました。返す返す失礼の極みでありました。
 うー、昭和歌謡恐るべし。何と幅の広く、奥行きの深い世界だったのかと、あらためて知るのでした。

 そして、けいこさんはこういう曲がまたうまくはまりますなぁ。このあたりの曲をビシっとカヴァーする企画も面白いのでは?なんて、思ったりもします。

m13.最後は愛して〜m14.カーニバルの終わりに〜m15.Love Song For You〜m16.ブルースカイロンリー

 ライブ終盤は再びオリジナルに戻り、ノリのある曲を続けたわけですが、m13と14は16ビートでラテンの色合いも濃いので、ここでも打ち込みを使う事にしました。一応、ビシっと2曲つなげて盛り上げようとの腹積もりでしたが、何と1部の方では私が"カーニバル..."のクリックを聞き逃し、すっかり見失ってしまいました。これでは、グチャグチャになるので(その時点でグチャっとなってますが)、恥ずかしながらもう一度やり直しになりました。全くの大ドジをお詫びします。

 ただし、復活してからは気合い3倍で集中しました。もちろん、2部では大成功でした。

 81年の「Jiggle」収録の"Love Songs For You"は佐藤準さんの大掛かりなアレンジが凝っている曲であり、本来ならばリズム・セクションやハードなギターを加えて派手にやりたいわけですが、今回はそうも行かず、それでも11月の時は比較的オリジナルに近いイメージで強引にやっていました。
 が、年が明けて、気分が変わったとでも言いますか、もっと素直に曲自体のみで聞いてもらおうと思い直したのでした。元々、ステージで歌っているけいこさん自身そのものを表している曲だけに、骨格だけで勝負しても十分に伝わるし、小さい編成なりにメリハリをつければバラード的な解釈でもいけるのではないかと思いました。

 とは言え、サトジュンさんのアレンジはすでに曲と一体化しているほど印象的で、よく作られているので、フレーズ自体をカットせずに、プレイする意識を変えることで、うまくまとめたかったのでした。前半では"生きがい"、後半では"Love Songs For You"をメイン曲として聞かせたかったからです。
 結果、けいこさんのリードで会場の皆さんもサビを歌ってくれたりするシーンが自然と生まれて、これはなかなかうれしいハプニングであり、ステージから見ていても感動させてもらいました。本当にありがたかったです。

 そして、だめ押しでm16は、文句なく全員盛り上がってくれました。私は個人的には手が痛くなる曲です。もちろん、演奏中は気がつかないんですが、これはそうとう鼻息が荒くなっている証拠です。

 11月の関西では"カーニバルの終わりに"ではなく、これまた「I'm Fine」から"愛するミュージック"がm14として入っていました。この曲も、少し強引にハードなギターをフィーチャアしてやってみましたが、正直、中途半端だったかもしれません。なので、最終的に東京の形になったことで、セットメニューがすっきりとまとまったと感じました。

m17.Love Letter
 一応、"Love Songs For You"をメインにと目論んでいたのですが、今回のライブ、特に東京2回のステージでの一番の発見は、この曲でした。
 83年の「KAREN-NA-Kiss」に収録されて、前から良い曲だとは思ってましたが、実際にやっていて、これほど気持ちの良かった経験は初めてでした。ようやく、我々がこの曲をうまくやれるようになったということなのでしょう。別段、何かを意識したり、やり方を変えたわけではないですが、単純に皆の気持ちが一つになった感じでした。後は、曲そのものが我々を引っ張って行ってくれたのでした。

En1.ほほにキスして(東京2部のみ)〜2.Too Far Away〜3.蒼い涙 Double En.この夜に

 どの会場でも暖かい拍手をいただき、ありがとうございました。アンコールでやった曲はそれぞれの会場でいろいろと楽しんでいただけたと思うし、我々もその場その場でワクワクさせられました。

 さて、これで2010年のライブハウス・ツアーは無事に終了です。しかし、2011年、早くも来月頭にはけいこさんのバースデイ・イベントが名古屋・東京であり、4月には新たなスプリング・ツアーが決定しました。それに、どうやら長く待たれたレコーディングが始まることになりそうです。これはこれは、今年の水越けいこさんはさらに勢力的な動きになりそうです。ファンの皆さんも大いに期待してくださいませ。私も大いに期待していますよ。

 何はともかく、いつも応援してくださり、本当にありがとうございます。そして、どうぞ今年もよろしくお願いします。
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by harukko45 | 2011-01-13 03:07 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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