大橋純子/クラブサーキット2010詳細(2)

詳細(1)からの続き。

m2.あの日に帰りたい 3.真夏の果実 4.時代(東京のみ)5.Love Love Love

 最近、これらの「Terra」「Terra2」の収録曲を聴きなおしてみたら、ライブでやっているものとずいぶん違うので驚きました。誤解を恐れずに言えば、ライブの方がそれぞれの曲への愛情が深いように思いました。それは当たり前といえば当たり前のことかも。アルバム・リリース当時はスタジオ・バージョンをできるだけ再現しようと試みるわけですが、本番を重ねるうちにライブ・バンドのメンバーそれぞれの解釈に深みが出てきて、気がついてみるといろいろ細かい部分でのニュアンスが変わっているのでした。

 例えば、m2の土屋さんのアコギによるボサノヴァの刻みは、それだけでムードがあるし、後藤さんのフルートと私のシンセとのコンビネーションはかなり絶妙で、歌のじゃまをせずに実に効果的。そうそう、イントロの口笛はヒロコちゃんも加わって後藤さんとのダブルになったので、より広がりが出た。
 m3のイントロのフレーズはCDのギターよりも後藤さんのソプラノ・サックスの方がビューティフル。ここでも土屋さんのアコギがおいしいニュアンスをふりまいている。これに私のピアノがネトネトとからまってキラキラ感が出ている。サビでの盛り上げと哀愁感はバンド全員の曲への共感度の高さからくるもの。
 1年前にリハーサルした時はこれとは全く違う感じで、正直つまらなかったのですが、今回もう一度トライしてみたところ、各自がそれぞれニュートラルな気分で曲をとらえることができたのでした。
 個人的にはCDの楽器編成やサウンドの方向性は全く気にしないで、「サザンの曲」ということだけ頭に入れてプレイしただけ。でもそれが、バンド独自の色彩を生み出すきっかけだったように思います。

 そして、曲自体の良さはやはりピカ一。さすが桑田佳祐さんだと納得。ライブでやるとますます実感します。お客さんの内面に訴えかける何かを持っているに違いない。
 ジュンコさんはこの曲での息つぎが非常に大変で、ずっと苦しい、と言ってました。だが、そのきつい状況を最後まで崩れずにキープ出来る事がすごい。そうでなくては、桑田圭祐の世界を自分のものには出来ない。歌を聴いている我々はジュンコさんがそんな状態だとは露知らず、ゆったりとメロディを楽しませてもらっていたのでした。

 さて今、サザンのオリジナルを聴いてみると、バンド名義にはなっているが、結局は小林武史氏のシステマティックな打ち込み(ある意味、1990年当時風の)が全面に響き渡っていて、たぶん桑田さんのボーカルでなければフルコーラスもたないのでは。
 今回我々は、より柔らかくニュアンス豊富なバンド・サウンドに、豊かなジュンコさんのボーカルがのった事で、曲本来の素晴らしさを引き出す事に成功したと思っています。
 ちなみに、ジュンコさんの声のおいしい部分を生かすために、「Terra2」のアレンジではサビで転調しているですが、慣れるとこれがいいフックになっていて、今ではこれなしでは物足りなくなりました。サビのキュンとした感じがより強調されていると思います。

 m4とm5はライブではかなり回数をやっているもので、ずいぶん熟れた感じになっていて、スタジオ・バージョンに比べ格段にグルーヴィだと思います。これぞまさにライブならでは楽しさでしょう。
 もちろん、ドラムとベースのコンビネーションの良さですが、私と土屋さんをふくめたリズム隊のからみが、実に程よい感じになってきているのが楽しいのでした。

 ここで忘れてはいけないことが。ドラムのウエちゃんは、m5のエンディングでのアカペラ・コーラスに新たなボイシング・パートを考えてくれ、それを東京の最終日にトライしました。これが、見事にマッチ。彼の参加により、スタジオ・バージョンのコーラス・アレンジは女性陣と男性陣が離れている感じだったのですが、そこをきれいに埋めてくれたのでした。
 それと、私にロクさんにウエちゃんの3人は時にやりすぎになりそうなぐらい自由になってますなぁ。まぁ、我々がやると「Fake Jazz」ってところかな?自分でいうのも何ですが、かなり面白いです。

詳細(3)へ続く
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by harukko45 | 2010-08-17 18:57 | 音楽の仕事

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