ワールドカップ/決勝

e0093608_1148471.gife0093608_11485769.gif とことん「美しかった」スペインと、とことん「美しくなかった」オランダの戦いを120分間堪能させてもらいました。私はスペインを応援しておりました。ここまでのスペインについては、正直、全面的に支持していたわけではありませんが、クラブ・レベルにおいてはスペインのチーム(バルセロナ)が好きな私にとっては、より共鳴度が高まるのは当然でした。

 前半はどちらかと言えば、オランダの試合。スペインは序盤こそ攻撃陣が機能してチャンスを作ったが、その後はオランダが優位の潰し合いに。潰し合いに関しては、断然オランダ有利。それもこれまで以上に執拗にやっていたので、イエローカードが出るは出るは。
 こういうのをずっと続けられると、今のサッカーへの失望感みたいなものが頭をもたげ始める。オランダはかつての名誉をかなぐり捨てて、まるで格下のチームのように振る舞っていたのには、じょじょに憤りさえ感じた。

 スペインもオランダの守備に手を焼き、このままではカウンターかセットプレイでのあっけない失点の危険性を感じさせた。特に後半17分のロッベンとカシージャスとの1対1には戦慄が走った。だが、さすが「聖イケル」カシージャス、反対方向にふられても右足一本でゴールを守った。その後もロッベンは常に危険だったが、スペイン守備陣は2人3人がかりで抑え切った。ファンペルシーが全然役に立たず、ロッベンだけが頼りだっただけに、オランダにとっても苦しい戦いになった。

 もし、ロッベンが1度でもチャンスを決めていたら、90分1-0でのオランダの勝利だったろう。そして、再び「美しくない」サッカーが賛美されることとなり、暗黒の時代の到来(インテルのチャンピオンズ・リーグ優勝とともに)を予感させることになったかもしれない。

 だが、勝利の女神はもっと複雑なシナリオを書かれておられたわけで。

 後半42分から、セスクを投入したことで中盤が活性化したスペインは、延長に入ってからますます「美しく」なっていった。本来なら、セスクには最初からいて欲しかったのだが、戦術的には確かにこの状況で入ったことで大いに効果的だったと言えるか。またデル・ボスケ監督はビジャに代えて、不調だったF・トーレスを延長後半から投入。これは大きな決断だったなぁ。だが、これには納得できる。「攻めろ、勝ちきれ」の明解な意志であり、あえてトーレスを出す事でのリスクも取る覚悟を感じさせた。デル・ボスケ監督の采配、見事。見ている私にも「負けた時の」覚悟とともに、絶対に勝つために全力を尽くせ、という強い気持ちが伝わり、こちらも奮い立つような思いになった。これこそが、日本に、岡田監督に最も足りなかったものなのだ。

 そして、スペインの猛攻に耐えてきたオランダがついに破綻。延長残り10分でハイティンガのレッドで10人になったことで、状況は大きく動いた。
 延長後半11分、右のナパスからイニエスタ、そこから左に展開、トーレスが中央へクロス、ディフェンダーのクリアをセスクが拾って絶妙なスルーパスを右にポジションを移していたイニエスタへ。イニエスタはトラップからボレーでシュート。これが完璧に決まった。美しい事この上ない、文句のないゴールだった。

 ユーロ2008に続き、2010ワールドカップも制したスペインの「美しき」パスサッカーを大いに賛美したい。こういうチームこそが優勝に値する。オランダは勝利優先主義で、自らの良き伝統からの脱却を計ったが、結局、世界中に醜態をさらすこととなり、今後は国内でも大きな論議となるのではないか。少なくとも、こんなオランダなら私は見たくないし、絶対に応援しない。

e0093608_13125871.gife0093608_1313202.gif ところで、前日に行われたウルグアイとドイツによる3位決定戦はすごく面白い試合だったらしいが、日本ではスカパーしか放送しなかったなんてひどい話だ。だから、見ていないが、とりあえずドイツが勝ったことで、私としては良かった。彼らは本当に素晴らしいチームだったし、これからまだまだ伸びる可能性を持った若手がいて、4年後8年後にどのように進化するかがとても楽しみだ。
 今大会の私にとってのベスト・チームはドイツ、続いてチリとなる。

 また、大会MVPにはウルグアイのフォルラン。これには至極納得。ウルグアイの魂そのものをピッチ上で表現してくれた彼は、本当に素晴らしかった。

 そして我らが日本代表は、グループリーグ突破という大仕事をしてくれたことについては大いに讃えたいが、パラグアイ相手にリスクを恐れてトライせず、みすみす勝ち上がれるチャンスを逃したことが実に実に悔やまれるし、今回のチームの限界、そしてそれを越えられなかった監督の采配には不満が残った。
 私としては全てのスポーツ報道における「感動をありがとう」を一掃、追放したい。もっと、マジで深いスポーツ観戦こそが望ましい。何度も言うが野球の世界では存在する当然のことが、サッカーやオリンピックにおける部分でも成り立ってほしいのだ。そうでないと、もっと強くて美しい日本を見る事はできないと思う。
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by harukko45 | 2010-07-12 13:02 | スポーツ

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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