ジョン・レノン・スーパーライヴ2009の詳細(7)

詳細(6)からの続き

 松山ケンイチさんが再び登場し、「Imagine」の朗読を。

 そして、オノ・ヨーコさんを迎えて

 ヨーコさんとの競演は2005年以来だ。2回目とは言え、やはりヨーコさんと対面するさいに、ある程度の緊張が生まれるのは致し方ない。だから、わかっているけど、ついつい早口になったり、変に笑いながらしゃべってしまい、後で恥ずかしい気持ちになってしまう。
e0093608_2315664.jpg それでも、音が出ている時なら、いろんな点で落ち着ける。言葉では伝えにくい部分も、音楽でなら簡単にコミュニケーションできるから。
 スタジオでのリハーサルでは、ずいぶん久しぶりに"Your Hands"を歌われたので、細かい部分を少しずつ思い出すようにして、何回も練習につきあっていただいた。何度か合わせる事で、ヨーコさんがどこで入りたいのか、こちらがどのようにしてきっかけを出すのかがつかめるようになった。
 その辺のお互いの意思の疎通こそが大事で、細かいプレイぶりやグルーヴ感はこちらに任されたのだった。
 ただ、実際には始まってから何が起こるかわからない。よって私たち全員、アンテナを張って敏感に対応していくことを確認した。

 そして本番、ヨーコさんは颯爽と登場されただけでなく、リハーサルの時の少しナーバスだった雰囲気など微塵も感じさせない堂々とした歌声で、パーフェクトに歌いこなした。心配された高い声も問題なく、レコーディング当時のパワーが蘇ってきたかのようだった。
 そして、二人のギタリストがソロをとる間、スーっとステップを踏んでダンスするシーンを見ると、一気に70年代にワープしそうになった。

 すぐに感激してしまう私は、それだけでかなりウルウルな状態になった。それに、ヨーコさんが、この本番までにかなり練習を積まれているのがわかったし、バンドに溶け込もうとしているのも感じられたからだ。その時「あー、愛だな」って実感した。お互いにそれを感じ合えば、タイミングもピッタリと合ってくるのだった。

e0093608_341551.jpg 続けてやった"Give Peace A Chance"にはいろいろなリミックス・バージョンがあるが、今回は押葉くんがチョイスしてくれた「Morel's Pink Noise Vocal Mix」をベーシック・トラックにした。私は、これをいろいろ切り刻んで分解し、新たにループにして組み直した。
 最初は、打ち込み中心で生楽器は少しに、と思ったが、押葉くんの「ヨーコさんの強いエネルギーを支えていくには人力が必要です」とのアドバイスを受け、バンド全員で打ち込みとリンクすることにした。よって、ドラムの古田くんはクリックを聞きながらのプレイとなった。

 実は、全員で合わせる前は、ラップ・ロックやラップ・メタル的なニュアンスを考えていたが、実際にヨーコさんが登場してやり始めたら、何だか突然、すごくピースフルな感覚が広がってきた。特に「All we are saying is "Give Peace A Chance"」とコーラスをやりはじめたら、ますますそういう気分になった。
 押葉くんの弾くベース・ラインがビートルズのリフのようであり、古田くんのビートはありがちな16ビートをなぞるのでなく、8ビート系の大きなグルーヴだったせいもあった。でも、それらはそう感じたから、自然にそういうプレイになったのだろう。
 私もフラワー・ムーブメント、ラブ&ピース、サイケデリック、といったイメージのサウンドやフレーズがどんどん浮かんできて、それらを弾き始めたら、実にしっくりくる感じだった。

 ヨーコさんは何度も「これまでこんなにヒップだったことはないわ。いい」と喜んでくださった。そして、これまたご自分のラップ部分をかなり準備されて本番にのぞんだのだった。だから、リハの時よりもずっとタイトでエネルギッシュなパフォーマンスになったのだ。私は、本番中に万歳三唱したいぐらい、うれしい気持ちでいっぱいになった。

 無事にステージを終え、ヨーコさんはいたくご機嫌だったように思う。パーティでも声をかけてくれ、「素晴らしかった、素晴らしかった」と何度も言ってくださった。心の底からホっとした瞬間であり、いろんなものに感謝したい気持ちになった。

詳細(8)
[PR]
by harukko45 | 2009-12-31 04:17 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31