ジョン・レノン・スーパーライヴ2009の詳細(4)

詳細(3)からの続き

 のんびり書いているとこりゃ年を越してしまうわい。ちょっと、急ぎます。

 松山ケンイチさんが登場。さすがにすごい人気ですなぁ。あまりに歓声が大きくて、なかなか集中しずらかったかも。でも、俳優として今が旬の売れっ子だけに、いったん朗読を始めれば独自の世界を作る。まずは「Love」の朗読。私と土屋さんだけがステージに残り、彼のきっかけの言葉を合図に"Love"のメロディをさりげなく奏でた。

 続いては、今回唯一のバンドとしての参加だった、ROCK'A'TRENCH のステージ。彼らは元々スカ/レゲエ系のバンドとしてスタートしているが、今回はそこだけにこだわらない姿勢も見せる選曲で、"Lusy In The Sky With Diamonds"と"Woman"をカヴァーした。"Lusy..."はオリジナルに近いサイケ的な骨太ロックに。方や、"Woman"はブラック系のハネたビートで大胆にアレンジして、ニューソウルっぽい仕上がりが面白かった。

 そして、ラブ・サイケデリコの登場。彼らは、このイベントではすっかりおなじみであり、いつもアーティスト同士の橋渡し的な役割も引き受けてくれる素晴らしい二人。
 で、昨年に引き続き、まずは二人だけで"Dear Yoko"を歌い、2曲目の"Jealous Guy"でトリビュート・バンドがバックについた。

e0093608_011561.jpg ジョンの作ったバラードの名作である"Jealous Guy"をナオキ君は彼好みのナッシュビル風にアレンジしてきた。
 昨年、"Watching The Wheels"で競演したのがすごく楽しかったとのことで、今回も同様の方向性でまとめることになり、ナオキ君のアイデアをベースにスタジオでセッションしながらじょじょに作って行った。
 なので、オリジナルにあるナイーブで憂いのあるバラードの世界ではなく、全体に明るいトーンでリラックスしたムードに仕上がった。結果として、ザ・バンドのようなサウンドになるのが個人的にはうれしい。
 今年のスーパーライヴ全般に通じる「アット・ホーム」な感覚は、このデリコとのセッションあたりで顕著に現れていたと思う。それにしてもデリコの二人は年々包容力を増して、大きくなっているなぁ。

 続いて、浅井健一さんを迎えて。

e0093608_1154843.jpg 70年代初期のジョンは刺激的な作品だけでなく、美しいバラードも多く残してくれた。先の"Jealous Guy"しかり。そして、「Plastic Ono Band」に収録された"Love"は、愛の概念を短く書き綴った歌詞が素晴らしく印象的であり、これが松尾芭蕉の俳句からの影響だというのだから驚く。
 そのせいか、この曲には独特の世界が漂っていて、確かに東洋的な静謐なムードというか、茶や禅にも通じるようなものを感じるのだが、それは大げさだろうか。ジョンのボーカルは優しさにあふれているが、無駄を排したメロディと詞、サウンドが不思議な緊張感を生んでいることも間違いない。

 なので、浅井さんには実にふさわしい曲であったと思う。彼は、静かなピアノとのパートから、じょじょにギターやベース、ドラムスを加えて音圧を高めたが、かといって、ただのパンク指向の激情的な表現になるのではなく、あくまでも内面で燃えるものに留めているあたりがさすがだった。
 そして、再びピアノが奏でる"Love"のメロディが終わり、浅井さんはすぐさま有名なギターリフを弾き始めて、次の曲につなげた。

e0093608_1442568.jpg その印象的なリフで始まったのは"Day Tripper"。1965年リリースのビートルズのシングルで、"We Can Work It Out"との両A面だから強力だ。
 最初はビートルズのオリジナル通りに合わせておいて、浅井さんとのセッションにそなえたが、浅井さんは独自のアイデアを持っていて、まず1コーラスを1オクターブ下の音域で語るように歌い始め、2コーラス目から全員で突入することになった。また、ドラムのパターンを少し変えたりして、随所にこだわりを見せてくれたのだった。

 また、エンディングでは、彼にギターでソロを取ってもらいたかったので、お願いしたところ、慎重に考えながら、こちらが予想したものとは全く違うサウンドで聴かせてくれた。これは実にうれしい展開だったし、本番前のリハでも、この部分でのコード進行に新しいアイデアを持ってきてくれたのだった。

 それと、この曲はコーラスが結構やっかい。「Da~~~y Tripper. One Way Ticket ,Yeah!」からの部分はバッチリキマると最高にしびれるが、とにかく音域が高くて難しい。さすがビートルズ、特にポールの才能にはまいってしまうが、まぁ何とかやれたのではないかと思っている。間奏のギターソロのバックでの3声の「AH」はビートルズもアヤシい感じだけど、やっぱりこれも外せないんだよね。

 この後、トリビュート・バンドは長田くんを残して退場。長田くんはCoccoさんを迎えて、二人で"Out The Blue"を演奏した。
e0093608_21574816.jpg "Out The Blue"は「Out Of The Blue」で「突然に、思いがけなく」なんて意味になり、ヨーコさんとの出会いについての歌と言えるか。美しいアコースティック・ギターのイントロが実に印象的で、曲としても隠れた名曲の一つと思う。バンドでやっても最高に気持ちいい。なので、Coccoさんが次回、バンドのバッキングを望んでいただけたら、うれしいなぁ。
 それにしても、この二人はホノボノとして、とってもいい雰囲気だった。

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by harukko45 | 2009-12-30 02:22 | 音楽の仕事

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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