普天間問題は大騒ぎすることじゃない

 久しぶりに政治について。

 政権交代後の民主党政権への評価はなかなか難しい部分が多い。その抱える大問題の多さと、予想以上の深刻さからくるわけ(そのほとんどはこれまでの政権のていたらくがもたらしたもの)だが、その中の一つである沖縄普天間基地の移設問題は、マスコミ報道によると、鳩山首相の決断の遅さ、ブレる発言等が事態を混迷に導き、それにより「日米同盟」の危機が迫っている、との論調が多い。
 要するに、ほとんどの主張は「自民党時代のまま、辺野古への基地移転が最上で、さっさと決めてしまえ」ということになるか。だが、その根底にある(かどうかも実は疑問なのだが)まさに「日米同盟」こそが金科玉条であるかのような主張には私は相容れない。
 日本が過激な軍備増長や核装備を決めたわけでもなく、近隣諸国と一触即発の状況を作り出している訳ではないのに、はっきり言ってアメリカ軍の都合だけで、「同盟よりも社民党の方が大事なのか」などと恫喝される筋合いはない。

 この問題は全面的に棚上げしても、全く問題ない。今年中に結論だして、辺野古に新基地建設を決定する必要など全くない。
 なぜなら、アメリカの議会で海兵隊のグアム移転の予算はすでに通過した。これについては、日本側のはっきりしない態度がある程度影響を与えたかもしれないが、日本側の意思表示がなくても予算が通ったことで、アメリカ国防省側の心配はほとんどなくなった。だから、とにかく個人的にはひどく不愉快ではあるが、グアムのインフラ整備への予算(何が思いやり予算だ!)を予定通り日本がつけてあげれば、海兵隊はさっさと出て行く。
 だいたい、もう数年前よりも装備も技術も向上し、わざわざ沖縄に展開しなくってもグアムからで十分らしいじゃないか。

 そしてもう一つ、普天間基地移設に関して、辺野古の海に棲む絶滅危惧種ジュゴンの行く末を案じる人々が、その保護を求めてサンフランシスコ連邦地裁に提訴し、勝利していたことである。

 これについては、いつも読ませていただいている永田町異聞にくわしいので、ぜひご覧いただきたい。

 簡単に言えば、アメリカ司法では「辺野古への基地建設はならぬ」との判決が下っているのだ。もちろん、控訴の可能性もあるが、いずれにしろ日本に対し強行に脅しをかけてきたわりには、実際に辺野古移転をするのはアメリカ側にとっては大きなハードルをクリアしなくてはならず、実は面倒なのだ。

 そもそも、アメリカが沖縄の負担軽減なんか考えている訳がない。普天間が老朽化しているから新しいものが欲しいだけだ。アメリカにとって一番心配だったのは移転のための予算が議会を通ることであり、一時7割カットになったものがほぼ満額で認められたことで、彼らには満足なはずで、今後いちいち司法との戦いの末に辺野古への建設を強行するだろうか?

 つまり、辺野古への新基地建設工事を強く求めているのは、日本側の利権集団なのだ。

 今の段階でアメリカ国防省にとっては、日本の態度が未だはっきりしないことで、議会対策への心配がまだ残るが、大きな問題はクリアしている。

 思うに、この件での鳩山首相ののらりくらりは、結果良い状況を生みつつある。ひょっとすると、これは彼が確信犯的にやっているかもしれないとも思える気がしてきた。小沢幹事長の中国韓国訪問ともリンクして、大きな外交方針の展開への道筋の一つやもしれない。

 私は基本的にこれほど多くのアメリカ軍がずっと日本に駐留し続けることには反対であり、できるだけ早く出て行ってほしい。このような国家は世界において日本だけで、成熟した独立国家としての体を日本が成していない証拠でもあり、これまでのようではアメリカの傀儡政権そのものだ。いつまでも、「脅しをかければ言うことをきき、金もふんだくれる」、そんな関係でいいのか。

 真に対等な日米関係への検討、模索にはある程度のリスクも必要だ。それが一時のギクシャクを生んでも、バタバタするのはおかしい。あまりにも日本人はネガティブ指向すぎる。

 さて、オバマ大統領はノーベル平和賞を受賞したが、あの演説が平和への指針となる内容か?自らの戦争への弁解と肯定ではないか。理想主義者としての「あこがれ」のオバマと現実主義者としての「何らブッシュと変わらない」オバマという二つの存在があることを、我々は自覚しなくてはならない。つまり、「オバマ=平和の使者」ではないことが、はっきりした。そういう意味ではブッシュ前大統領の方が正直だったかもしれない。
 平和賞をあげる方もどうかしてる。
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by harukko45 | 2009-12-14 16:05 | 日々のあれこれ

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