第58回グラミー賞

 3年ぶりにグラミー賞をテレビで楽しんだ。何と言っても、ケンドリック・ラマーのような革新的なアーティストのパフォーマンスにはワクワクさせられました。当然、最優秀アルバムも必至と思ってたら、何とテイラー・スウィフトとは。

 とにかく、ケンドリック・ラマーの「To Pimp a Butterfly」は最高にカッコイイ。リリックがすぐに理解出来る英語圏の人には、その内容の深さに共感できるだろうけど、サウンドだけでもスゴイって感じられる傑作と思う。ラマーは2012の前作「Good Kid, M.A.A.D City」も素晴らしい。私にはNas以来の天才ラッパーの登場に思えたっけ。

 ブルーノ・マーズとの「Uptown Funk」で最優秀レコードを獲得したマーク・ロンソンは、アルバム「Uptown Special」もなかなか。エイミー・ワインハウスのプロデューサーとしか認識してなかったけど、自身でもいいアルバムを作ってたことに去年驚いた。

 最優秀ロック・パフォーマンスのアラバマ・シェイクス「Sound & Color」も昨年よく聴いたアルバムの一つ。いわゆるロック系としては、彼らがダントツだった。ガレージ・ブルース・バンドみたいだった彼らが、セカンドでここまで成長するなんてスゴイ!

 そして、14年ぶりの新作「Black Messiah」で完全復活してくれたディアンジェロ、確かに素晴らしい内容なんだけど、やはり、昨年はケンドリック・ラマーが圧倒的でしたなぁ。
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# by harukko45 | 2016-02-16 16:21 | 聴いて書く

デイヴィッド・ボウイ

 1月10日にデイヴィッド・ボウイが亡くなり、少しショック状態が続いた。その2日前にリリースされたニューアルバム「Blackstar」の素晴らしさにすっかりやられていたので、突然の訃報が信じられなかった。

 私がボウイの音楽に出会ったのは遅く、デビューからジギー・スターダスト時代の彼には全く興味がなかったのだが、ボウイ・ファンの友人から「『Space Oddity』だけでも聴け」との言葉をきっかけに、一気にはまり込み、続いて「Aladdin Sane」に惚れ込んだ。マイク・ガーソンのピアノにもガツーンとやられた。
 また、74年の「David Live」と75年の「Young Americans」では、当時まだそれほど有名ではなかったデイヴィッド・サンボーンを大々的にフィーチャアしていて、このサックス・プレイヤーに注目するきっかけになったし、今聴いても新鮮でユニークなボウイ流ソウル・ミュージック。

 77年からのベルリン三部作は、かなり実験的な世界に踏み込みながら、根底にはポップ・ミュージックを忘れなかったギリギリ感と、インチキ臭さがたまらん。
 で、カルト的な教祖さまで居続けるかと思いきや、83年の「Let's Dance」で世界的大ブレイク。MTV時代のボウイも文句なくカッコよかった。ここでも、スティーヴィー・レイボーンを大抜擢して、相変わらず才能あるミュージシャンを選ぶ、目利きの良さにも感心した。

 21世紀になっても創作意欲は衰えず、2002年「Heathen」2003年「Reality」の素晴らしさには感嘆と、心から敬意の気持ちでいっぱいになった。

 病気からの奇跡の復活と言えた2013年「The Next Day」のアグレッシブさにも驚かされたが、今回の新作で遺作となった「Blackstar」には、さらにさらに驚かされ、彼の飽くなき探究心と新しいものへのチャレンジ精神には、本当に感動した。それもただ挑戦しただけの問題作ではなく、結果として何度も聴き返したくなる魅力ある作品に仕上げたのだった。

 そして、バック・ミュージシャンに起用されたニューヨークのジャズ・ミュージシャン達、ドニー・マッカスリンらの演奏も素晴らしい。

 デイヴィッド・ボウイ、最後まで見事なキメ方に、もはや言葉はない。

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# by harukko45 | 2016-01-19 17:55 | 聴いて書く

ハリー・ニルソン

昨年は、日本にも本格的に、音楽のストリーミングサイトがいろいろと登場して、新たな時代が始まった年だった。私は、数年前からGoogle Play MusicとSpotifyを使っていたので、日本でも早くこのサービスが始まるのを強く望んでいたのだが、すでに使い慣れているSpotifyが、未だサービス開始にならないのが残念でならない。Spotifyには、無料のシステムがあるから日本の音楽業界には受け入れられないのだろうか?
詳しい事情はよく分らんが、個人的には、いち早いSpotifyの日本への正式参入を強く望む。

さて、ということで、昨年中によくよく聴いた音楽を書き残しておきたい。

「Harry Nilsson」
昨年だけでなく、ここ数年、ハリー・ニルソンのほぼ全アルバムは常に手元に置きながら、聴きまくっていた。特に好きなのは、「Nilsson Sings Newman」。
これは一時期、毎日のように聴いてたなぁ。それにより、私はランディーニューマンの素晴らしさにも目覚めた次第。で、彼のアルバムも聴こうとなると、まずはSpotifyで聴くのが便利なわけ。全アルバムそろってるからだ。

さて、ニルソンはたぶん16枚のアルバムを出していると思うのだが、その中で好きなのは、67年「Pandemonium Shadow Show」、68年「Aerial Ballet」、69年「Harry」、70年上記の「Nilsson Sings Newman」、シュミルソン3部作の中では、72年の「Son of Schmilsson」、そして77年「Knnillssonn」って感じ。
ただ、絶好調だった72,3年頃までは文句なしの傑作ばかりだが、74年あたりから、彼の精神的不安、酒と薬物による体調の悪化とともに作品の出来も良くなくなっていく。でも、天才のやることにはどんなにドン底であっても、見つけるべき何かが隠れているのであって、ファンとして簡単に見捨てるようなことはせずに、とことん付き合って行くのだ。




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# by harukko45 | 2016-01-06 16:47 | 聴いて書く

謹賀新年

2016年、明けましておめでとうございます。

一昨年の3月以降、ブログに向かう気力が落ち、そのままズルズルと放りっぱなし状態でしたが、今年からまたボチボチ書いていこうかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

内容的には、前よりもずっと個人的趣味的な方向になるかもしれません。

ということで、まずは、この年末年始は音楽を聴きまくっていたので、その中で気に入ったものを書き留めておこうと思います。

 「クリスティアン・ツィメルマン+ベルリン・フィルハーモニーのブラームス・ピアノコンチェルト1番」
 ベルリン・フィルの映像配信サイト「デジタルコンサートホール」で鑑賞したもので、あまりの素晴らしさに3回も続けて視聴してしまった。ツィメルマンとラトル&ベルリンによるブラームス1番は2003年にCDがリリースされているが、今回のは2015年6月25日に収録されたものだ。

 ツィメルマンのピアノの美しさは変わらずで、より巨匠的な風格を持ち合わせた感じであり、何から何まで共感してしまった。それは、ベルリン・フィルの皆さんも同様のようで、ピアノとオケの一体感のレベルが非常に高く、まさに次元の違う演奏と言えた。特にコンマスの樫本さんの曲に入り込んでいる表情が実に印象的で、この時に生まれた高いレベルでの共感共鳴には、彼の力も大きかったに違いない。
 正直、指揮者ラトルの存在はそれほど強くなかった。実際にはツィメルマンとベルリン・フィルとの直接対話がこの名演を生んだと感じた。

 実は、昨年末に「デジタルコンサートホール」を見たのはラトル退任前の集大成とも言える「ベートーヴェン・チクルス」を聴くのが目的だったのだが、残念ながらシンフォニー全曲を聴くのはつらくなり、途中でリタイア。アーカイブを探していたら、この名演に出会った次第。

 そのラトルのベートーヴェンは、全体に急速テンポと明解なバランスによる極めて健康的でスポーツ的な印象。どんな状況でも見事にやり遂げるベルリン・フィルの筋力の強さには感動したが、音楽的に楽しめたわけではなかった。
 アーカイブにあったティーレマンとの「エロイカ」の方が、断然好みであり、心からベートーヴェンを楽しめた。面白いのは、両者どちらにも参加しているメンバーが多いものの、演奏の内容は全く別物だったということ。
 ラトルの時は「ベルリンって、すげぇうまいなぁ」と思うことが多かったが、ティーレマンにはそういうことではなく、「ベートーヴェンは、やはりすごい」と思ったわけです。

 「エルトン・ジョン&ヒズ・バンド 横浜アリーナ」

  WOWOWが、昨年11月18日に行われたエルトン・ジョンの来日公演を収録。その日に生中継をしたようだが、私は元旦に再放送を視聴。これが、これが、何とも素晴らしかった!

 現在、68歳であるエルトン・ジョン、何という充実したパフォーマンス!感動しまくりで、あっという間の2時間半だった。1曲たりとも緩んだ部分がなく、かといって緊張感でピリピリと張り詰めた演奏ではなく、とても自然にリラックスして、「あー、ロックっていいなぁ」と心から実感させられた内容であった。
 私自身、昨年からエルトン・ジョンの音楽を全て聴き直していた最中だったので、その辺のタイムリーさもあって、数々の名曲・ヒット曲の連続にただただワクワクしっ放しであった。

 とにかく、彼が変に若ぶることなく、良い意味でシンプルに、歌とピアノに集中しきっている姿に感動した。それが、嘘偽りのない自然な姿であり、だからこそ、全盛期を過ぎた「衰え」のようなものを、このライブでは全く感じることはなく、これぞ「復活」とさえ思わせるのであった。
 つまり、いい感じで年をとったとも言えるのでは。70年代の絶頂期でさえ、しばしば感じられた「力み」や「勇み足」がすっかり消えて、本当に力強く、なおかつ繊細で深いパフォーマンスをするアーティストであることを再認識させてくれた。

 ということで、またぞろ古いアルバムなんかも、改めて楽しく聴き直す今日この頃です。

 やはり、70年代のアルバムがどれもこれも傑作なんだけど、その中で最も好きなのは、ベタではあるけど73年「Goodbye Yellow Brick Road」となるかな。でも、デビュー盤69年「Empty Sky」から76年「Blue Moves」まで、一枚たりとも駄作はないわけで、いかにエルトンの才能の泉が枯れることなく湧きあがっていたかに唖然とするばかり。
 とは言え、個人的には70年の「Elton John」と71年の「Madman Across The Water」がちと苦手。ポール・バックマスターのストリングス・アレンジが大フィーチャアされてて叙情的なんだろうけど、エルトンのボーカルはその弦の森に埋もれているみたいで、聴いてて息苦しい部分もある。
 だから、バンドと一緒にロックンロールしてる彼のほうが断然好き。

 そんなエルトン・ジョンは明らかにワーカホリックで、80年代後半からは、だいぶエネルギー切れを起こしていた。サントラなどで活躍しつつ、少しアルバム制作のペースが落ちた2000年代になっても、いまひとつピンとくる作品がなかったのだが、2010年に「憧れの人」レオン・ラッセルとの共演盤で、何かが吹っ切れたのでは?
 このアルバム「The Union」は、どちらかというと、レオン・ラッセルに敬意を表して、エルトンが控えめにしている感じだし、常に頑張ってきたエルトンに比べ、早々と隠居みたいになったレオンのドロドロさが明らかにスゴイんだけど、そんな本物のレイドバック感に、ワーカホリック・エルトンは良い影響を受けたように思う。
 そんな勝手な憶測はどうであれ、2013年には「The Union」と同じプロデューサーによるエルトン自身の新作「The Diving Board」が登場し、個人的にはここでのエルトンは、実に深いなぁと思っている。

 そんでもって、昨年のライブでの素晴らしさ。本当に凄いなぁと感無量であります。
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# by harukko45 | 2016-01-04 16:24 | 聴いて書く

3月も終わり

 3月はバタバタと二つのレコーディングが続き、その準備と現場で手一杯だった。自分で仕切らなければならない部分も多いし、ほとんど自宅での作業で全てを完成させなくてはならないものもあり、いろいろとストレスも感じることも多かった。
 とは言え、事前に決めたプランを一日一日しっかりクリアすることに集中すれば、時間とともに事は収まっていく。そんなことをあらためて感じる今日この頃でありました。

 大橋純子さんのアルバムのトラックダウンにも、ついに顔を出せずじまいであったが、ジュンコさんの現場は信頼おける方々が揃っているから、絶対に大丈夫。この作品に関しては、大橋純子ファンの一人として、完成をワクワクして待っている感じになっている。
 
 月の半ばにタケカワユキヒデさんのライブがあったことも刺激になった。やっぱりライブは楽しい。緊張もするけど、そういう瞬間が好きだ。

 なんだかんだと煮詰まって苦しい気分にもなったレコーディング作業は、一つはトラックダウンの段階へと無事に進み、もう一つはバックトラックを録り終えて、いよいよ歌入れへと何とか漕ぎ着けて、今日はホっと一息ついた。
 そして、先日亡くなった親友の一人、パーカショニストの鈴木裕文くんのことを考えていた。彼はまだ58歳の若さで、今月亡くなった。癌だった。
 彼は、私が20代の時からの友人で仕事仲間。いろいろなアーティストのバック・バンドで一緒に演奏してきた。それに、私にキーボードやアレンジをやるきっかけを作ってくれたのは、彼だったのだ。だから、本当の恩人でもある。

 彼が亡くなった時、私は仕事のプレッシャーを抱えていて、あまりちゃんと受け止められなかったように思う。まるで、無感情のようだった。それでも、何とか通夜にはうかがったものの、自分のことだけしか考えられてなかった。だが今日、ふと彼のことを思った。そして今は、すごく寂しく、悲しく、切ない。

 彼が闘病生活をしていた去年の秋、我々が初めて一緒にバックをつとめたシンガーソングライター、高橋拓也さんの一声で、鈴木くんを励ますためのセッションをすることになった。そこには30年前からのバンド仲間が集結して、当時の拓也さんの楽曲を演奏し、それを録音することが出来たのだった。その時の様子が映像に残っていて、拓也さんのスタッフが編集してまとめてくれたものがYouTubeにアップされている。
 これを見ると、確かに病気を抱えた彼の姿は痛々しいものの、それでもあの時、久々の仲間との再会を楽しんでくれているのを思い出すことが出来る。






 
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# by harukko45 | 2014-03-31 19:04 | 日々のあれこれ

おやじミュージシャン和田春彦の日記でごじゃる
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